代表・渡部純一の記事

社内ルールは、
1枚で足ります。

「生成AIのガイドラインを作りたい」という相談があります。検索すると、20ページの雛形が出てきます。私は、1枚しか作りません。20ページは、読まれないので。

今日は、その1枚に何を書いているかを、そのまま書きます。雛形が欲しい方には向きません。

2026.09.09|株式会社サマーウインド 渡部純一

読まれないルールは、
無いのと同じです。

20ページが読まれない理由

正直なところ、社員は読みません。社長も読みません。私も読みません。

長いガイドラインが作られる理由は、「何かあったときに、書いてあった、と言えるため」です。それは会社を守る文書であって、事故を減らす文書ではありません。事故を減らすのは、社員が迷ったときに1秒で思い出せる線です。

1秒で思い出せる線は、3つか4つが限界です。だから1枚です。

1枚に書くのは、3項目です

1つ目、入れてはいけないもの。御社の場合、3つか4つです。お客さまの個人情報(名前・住所・電話)。社員の個人情報。契約の金額と条件。あとは業種で1つ。医療なら診療の情報、不動産なら物件の所有者、といった形です。

2つ目、入れていいもの。ここを書かないルールが多いです。禁止だけ書くと、社員は「全部だめ」と受け取って、使わなくなります。使わないなら、入れた意味がありません。自分の作業の下書き、社内向けの文面、公開されている情報、いまの見積書の形。入れていいものを、入れてはいけないものより長く書きます。

3つ目、迷ったら誰に聞くか。名前を1人書きます。「上長に確認」ではなく、名前です。迷ったときに聞く相手が決まっていれば、社員は勝手に判断しません。勝手に判断しないと、事故は起きません。

ルールより先に、設定があります

1枚を配る前に、やっておくことがあります。

消してはいけないデータ、送ってはいけない宛先を、AIが触れない設定にしておくことです。ルールは「してはいけない」を伝えるもので、設定は「できない」にするものです。できないようにしてあれば、ルールを忘れても事故は起きません。

うちの企業導入では、この順番です。権限の設計 → AIが触れない設定 → 社内ルールの1枚。1枚は最後で、しかも保険です。本体は設定です。

御社にとって、どういう話か

御社に、いま生成AIのルールが無いなら、まず1枚です。20ページの雛形をダウンロードするより、入れてはいけないもの3つを社長が決めるほうが、速くて効きます。

もし20ページの文書がすでにあるなら、それはそのまま残して、社員に配るのは1枚にしてください。20ページは会社を守り、1枚は社員を守ります。両方あって結構です。

そして、社員がすでに個人の無料の画面でAIを使っているなら、ルールが無いのではなく、ルールが決まっていない状態です。そちらのほうが、多いです。

御社のサイトを拝見して、いま消せる作業を5つ書き出します。1つ目は、今日お送りします。メール1通です。(AIは、営業日を知りません)

費用はかかりません。ご用意いただくものもありません。読んで違うと思われたら、そのままで結構です。私が1人で全部やるので、月5社までとさせていただいています。

御社の消せる作業を、書き出してもらう

それでは、ご連絡をおまちしております。

追伸

うちには社員がいないので、この1枚は自分宛てです。それでも書いてあります。AIに入れてはいけないものは、社員の有無に関係なく決まるので。

追伸2

1枚の雛形は、お渡ししていません。御社の「入れてはいけないもの3つ」は御社にしか決められないので、雛形があっても埋まりません。決めるところから、一緒にやります。

よくある3つ

Q. 生成AIの社内ガイドラインには、何を書けばいいですか。
A. 3項目で足ります。入れてはいけないもの(顧客の個人情報・社員の個人情報・契約の金額と条件+業種で1つ)、入れていいもの(下書き・社内向け文面・公開情報など。禁止より長く書く)、迷ったら誰に聞くか(役職でなく名前)。1枚に収めます。

Q. なぜ1枚なのですか。
A. 長い文書は社員も社長も読まず、読まれないルールは無いのと同じだからです。事故を減らすのは、迷ったときに1秒で思い出せる線で、それは3つか4つが限界です。20ページの文書は会社を守るもので、1枚は社員を守るもの。両方あって構いません。

Q. ルールを作れば、事故は防げますか。
A. ルールは「してはいけない」を伝えるもので、設定は「できない」にするものです。消してはいけないデータ・送ってはいけない宛先をAIが触れない設定にしておけば、ルールを忘れても事故は起きません。順番は、権限の設計→AIが触れない設定→社内ルールの1枚です。

実物の記録

この記事と同じで、うちで実際に起きたことだけを書いた記事です。

情報漏えいが怖くて、AIを入れていない会社へ
道具の契約は、8つの工程の1つ目です
送信ボタンだけは、私が押しています

書いた人

渡部純一(株式会社サマーウインド 代表取締役)。ネットで売って20年、累計売上80億円。著書3冊、うち2冊が続けてAmazon総合1位。現在は社員ゼロ・AIだけで自社を経営しながら、中小企業向けのAI顧問「AI経営参謀」を月5社まで。