20ページが読まれない理由
正直なところ、社員は読みません。社長も読みません。私も読みません。
長いガイドラインが作られる理由は、「何かあったときに、書いてあった、と言えるため」です。それは会社を守る文書であって、事故を減らす文書ではありません。事故を減らすのは、社員が迷ったときに1秒で思い出せる線です。
1秒で思い出せる線は、3つか4つが限界です。だから1枚です。
1枚に書くのは、3項目です
1つ目、入れてはいけないもの。御社の場合、3つか4つです。お客さまの個人情報(名前・住所・電話)。社員の個人情報。契約の金額と条件。あとは業種で1つ。医療なら診療の情報、不動産なら物件の所有者、といった形です。
2つ目、入れていいもの。ここを書かないルールが多いです。禁止だけ書くと、社員は「全部だめ」と受け取って、使わなくなります。使わないなら、入れた意味がありません。自分の作業の下書き、社内向けの文面、公開されている情報、いまの見積書の形。入れていいものを、入れてはいけないものより長く書きます。
3つ目、迷ったら誰に聞くか。名前を1人書きます。「上長に確認」ではなく、名前です。迷ったときに聞く相手が決まっていれば、社員は勝手に判断しません。勝手に判断しないと、事故は起きません。
ルールより先に、設定があります
1枚を配る前に、やっておくことがあります。
消してはいけないデータ、送ってはいけない宛先を、AIが触れない設定にしておくことです。ルールは「してはいけない」を伝えるもので、設定は「できない」にするものです。できないようにしてあれば、ルールを忘れても事故は起きません。
うちの企業導入では、この順番です。権限の設計 → AIが触れない設定 → 社内ルールの1枚。1枚は最後で、しかも保険です。本体は設定です。
御社にとって、どういう話か
御社に、いま生成AIのルールが無いなら、まず1枚です。20ページの雛形をダウンロードするより、入れてはいけないもの3つを社長が決めるほうが、速くて効きます。
もし20ページの文書がすでにあるなら、それはそのまま残して、社員に配るのは1枚にしてください。20ページは会社を守り、1枚は社員を守ります。両方あって結構です。
そして、社員がすでに個人の無料の画面でAIを使っているなら、ルールが無いのではなく、ルールが決まっていない状態です。そちらのほうが、多いです。
御社のサイトを拝見して、いま消せる作業を5つ書き出します。1つ目は、今日お送りします。メール1通です。(AIは、営業日を知りません)
費用はかかりません。ご用意いただくものもありません。読んで違うと思われたら、そのままで結構です。私が1人で全部やるので、月5社までとさせていただいています。
御社の消せる作業を、書き出してもらうそれでは、ご連絡をおまちしております。
追伸
うちには社員がいないので、この1枚は自分宛てです。それでも書いてあります。AIに入れてはいけないものは、社員の有無に関係なく決まるので。
追伸2
1枚の雛形は、お渡ししていません。御社の「入れてはいけないもの3つ」は御社にしか決められないので、雛形があっても埋まりません。決めるところから、一緒にやります。
よくある3つ
Q. 生成AIの社内ガイドラインには、何を書けばいいですか。
A. 3項目で足ります。入れてはいけないもの(顧客の個人情報・社員の個人情報・契約の金額と条件+業種で1つ)、入れていいもの(下書き・社内向け文面・公開情報など。禁止より長く書く)、迷ったら誰に聞くか(役職でなく名前)。1枚に収めます。
Q. なぜ1枚なのですか。
A. 長い文書は社員も社長も読まず、読まれないルールは無いのと同じだからです。事故を減らすのは、迷ったときに1秒で思い出せる線で、それは3つか4つが限界です。20ページの文書は会社を守るもので、1枚は社員を守るもの。両方あって構いません。
Q. ルールを作れば、事故は防げますか。
A. ルールは「してはいけない」を伝えるもので、設定は「できない」にするものです。消してはいけないデータ・送ってはいけない宛先をAIが触れない設定にしておけば、ルールを忘れても事故は起きません。順番は、権限の設計→AIが触れない設定→社内ルールの1枚です。