代表・渡部純一の記事

情報漏えいが怖くて、
AIを入れていない会社へ。

「お客さまの情報を扱っているので、AIは入れていない」。社長7人に話を聞いた中にも、この方がいました。正しい心配だと思います。ただ、心配している場所と、事故が起きる場所は、ずれています。

今日は、うちが自社でやっている形をそのまま書きます。法律の話はしません。設定と、順番の話です。

2026.09.09|株式会社サマーウインド 渡部純一

怖いのは、AIではなく
「決めていないこと」です。

学習させない設定は、契約の1行です

いちばん多い心配から書きます。「入力したデータが、AIの学習に使われるのではないか」。

これは、法人契約で、使われない設定と契約にできます。個人向けの無料の画面と、会社として契約したものは、この点が違います。うちも自社でこの設定にしています。お客さまの情報を扱う会社は、ここを飛ばせません。

ただ、正直なところ、ここは1行です。契約のときに確かめれば終わります。怖がる場所として、いちばん大きくはありません。

事故は、権限が決まっていないところから起きます

実際に業界で起きている事故は、AIの会社に情報が漏れた話ではなく、AIが顧客データを書き換えた、間違ったレポートが役員に届いた、という話です。

原因は同じで、誰が何を読めて、何を書き換えられるかを決めずにAIを入れたことです。人間の社員には、経理の人だけが通帳を見られる、といった線があります。AIにも、同じ線が要ります。決めずに入れると、AIは全部を読んで、全部を書き換えられる状態で動きます。

うちの企業導入で、実はここが本体です。道具の契約は工程の1つ目で、権限の設計が中身です。

AIが触れない場所を、先に作る

権限を決めたら、次は、機械的に止める設定です。

消してはいけないデータ、送ってはいけない宛先を、AIが触れない場所に置きます。「気をつける」ではなく、触れない。社員の注意力は忙しい日に減りますが、設定は減りません。私自身の環境で、毎日それで動いています。

うちでは、送る・消す・払うの3つはAIにさせていません。文面はAIが書き、送信ボタンは私が押します。この線があると、残りの全部を安心して渡せます。

社員に配るのは、1枚です

最後に、社員の側です。長いガイドラインは読まれません。

何をAIに入れていいか、何を入れてはいけないか。この2つを書いた1枚を配ります。入れてはいけないものは、御社の場合3つか4つのはずです。お客さまの個人情報、社員の個人情報、契約の金額、あと1つ。それだけ書いて、困ったら誰に聞くかを最後に置く。

事故は道具から起きるのではなく、ルールが無いことから起きます。1枚あれば、社員は迷いません。迷わないと、事故は減ります。

御社にとって、どういう話か

順番にすると、こうです。学習させない設定(契約の1行)→ 権限の設計 → AIが触れない場所 → 社員に配る1枚。

この4つが決まっていれば、お客さまの情報を扱う会社でも、AIを入れられます。決まっていなければ、扱っていない会社でも、入れないほうがいいです。

「怖いから入れない」は、実は「決めていないから入れられない」です。決めれば、入ります。

御社のサイトを拝見して、いま消せる作業を5つ書き出します。1つ目は、今日お送りします。メール1通です。(AIは、営業日を知りません)

費用はかかりません。ご用意いただくものもありません。読んで違うと思われたら、そのままで結構です。私が1人で全部やるので、月5社までとさせていただいています。

御社の消せる作業を、書き出してもらう

それでは、ご連絡をおまちしております。

追伸

4つを決めるのに、御社の側で要るものはありません。御社のデータの種類と、誰がどこまで見ているかを聞かせていただければ、こちらで設計します。1つ目の設定は、契約の日に終わります。

追伸2

「AIを入れていない」ことは、いまのところ安全です。ただ、社員が個人の無料の画面で勝手に使っている会社は、入れていないのではなく、決めていないだけです。そちらのほうが、実は多いです。

よくある3つ

Q. AIに入力したデータは、学習に使われますか。
A. 法人契約では、御社のデータがAI会社の学習に使われない設定と契約にできます。個人向けの無料の画面とはこの点が違います。契約時に確かめれば終わる、1行の話です。

Q. AI導入で、情報漏えい以外に何が怖いですか。
A. 実際に業界で起きているのは、AIが顧客データを書き換えた、間違ったレポートが役員に届いた、という事故です。原因は、誰が何を読めて何を書き換えられるかを決めずに入れたこと。権限の設計と、消してはいけないデータ・送ってはいけない宛先をAIが触れない場所に置く設定で防ぎます。

Q. 社員向けのAI利用ルールは、何を書けばいいですか。
A. 何をAIに入れていいか、何を入れてはいけないか、の2つを1枚に。入れてはいけないものは3つか4つ(顧客の個人情報・社員の個人情報・契約の金額など)で、最後に困ったら誰に聞くかを置きます。長いガイドラインは読まれません。

実物の記録

この記事と同じで、うちで実際に起きたことだけを書いた記事です。

道具の契約は、8つの工程の1つ目です
送信ボタンだけは、私が押しています
生成AIの社内ルールは、1枚で足ります

書いた人

渡部純一(株式会社サマーウインド 代表取締役)。ネットで売って20年、累計売上80億円。著書3冊、うち2冊が続けてAmazon総合1位。現在は社員ゼロ・AIだけで自社を経営しながら、中小企業向けのAI顧問「AI経営参謀」を月5社まで。